どうも、性同一性障害(FTM:女→男)のRYORYO(りょうりょう)です!
俺が男性として生きるようになって20年程経ちます。
もちろん両親・家族・友達にはカミングアウトして、現在に至ります。
でも、きっと親からすれば自分の子供から『性同一性障害』『LGBT』で有る事をカミングアウトされるのは、とても辛い事だと思います。
実際、俺も母親にカミングアウトした際に、母親がとても悲しい顔をしていました。
別に悪い事をしている訳ではないけど、やっぱり将来の事とか考えると申し訳ない気持ちは有りましたよ。
今、お子さんから『性同一性障害だ』とカミングアウトされたあなた、きっとすごく悩んでいる事でしょう。
親の気持ちや本心は分かりませんが、性同一性障害当事者の俺だから言える事をお伝えします。
きっとそれはお子さんも抱えている悩みや、希望と同じでしょうから、あなたがお子さんの為に出来る事を考えていきましょう。
結論から言うと、全てを理解してくれくても大丈夫です。
ただ、あなただけは『味方』になってあげてください!
我が子から衝撃のカミングアウト!
近年では『性同一性障害』『LGBT』は認知されるようになり、昔と比べると当事者は生きやすい環境になっています。
ドラマでも結構同性愛のカップルがいたりして、周りが受け入れてくれているものが多いですよね。
きっと、何気なく見て「そういう世界もあるんだ」と思われていることでしょう。
でもそれが身近な存在、特に愛する我が子からカミングアウトされたらどうしますか?
あなたが今やるべき事を記載していきます。(順番はどこから始めてもOKです)
①性同一性障害というものを知る
認知度は上がっているものの、『性同一性障害』と言われても十分な説明を出来る人は少ないです。
もちろん、こうやってブログを書いている当事者の俺でさえ、100%理解は出来ていません。
なぜならすべてを理解するのは奥行きが深すぎて無理だからです。
だから、自分に合った事しか理解してませんので、お子さんに合った範囲内で理解すれば大丈夫です。
これは俺のブログの『性同一性障害』のカテゴリーの記事を見ていただいてもいいし、ネット上で検索すればたいがいの事は知る事が出来ます。
ただ、『性同一性障害』と聞いて「娘は女の人が好きな同性愛者なんだ」と勘違いだけはしないでくださいね。
『性同一性障害』と『同性愛』は全く異なりますので、詳しくは下記の記事を読んでください!
まずは、お子さんが抱えている問題『性同一性障害』について、理解する前に知ってください!
②子供の意見をちゃんと聞く
今、お子さんからカミングされて、すごく衝撃を受けているのは分かります。
でもよくよく考えてみると、カミングアウトされる前から、服装や髪形、生活態度など薄々は感じる事はありませんでしたか?
全く感じなかった親もいますし、薄々は勘づいていたけど「まさか我が子が…」って親もいます。
俺の場合も6年付き合っていた彼女といつも一緒にいたので、両親は薄々は勘づいていました。
でも我が子からのカミングアウトは、やはり衝撃的だったようです。
きっとあなたも同じような思いではないでしょうか?
だから、あなたの子供がなぜそうなったのか、今後どうしていきたいのかをしっかりと聞いてあげてください。
もちろん、理解しなくても大丈夫です。
子供が何を考え、何を思っているのかをしっかりと聞く事が大切です!
③あなたの意見を述べる
子供に気を使ったり建て前でなく、あなたの親としての意見をしっかり伝えてください。
意見でなくても大丈夫です。
あなたがカミングアウトを受けて、どう思ったのか、どう感じたのか、どうして欲しいのかを率直に伝えてみてください。
何度も言ってますが、急に理解するのは難しいので理解できないままでいいのです。
お子さんも本心でぶつかってきたのですから、あなたも本心でぶつかり返してください。
もちろん、その時点で特に何も問題なく受け入れられるのであれば、その旨を伝え応援してあげてもいいし、逆に反対ならばとことん反対してください。
俺は母親から「お母さんが辞めてって言っても辞められないんやろ?」と聞かれ、「うん、ごめんやけど、もうそうするって自分で決めたから」と伝えました。
今では全然普通に話もしますし、離れて暮らしているのでちょくちょく連絡くれます。
理解者のフリはしなくてもいいので、とことん本音でぶつかり合ってください!
『性同一性障害』当事者の想い!
子供から『性同一性障害』とカミングアウトされ、まだまだ悩みはつきまといますよね。
今度は『性同一性障害』当事者としての想いなどを伝えますので、きっとあなたの子供も同じように悩み、もがみ苦しんだ後の決断だという事を知ってください。
①心の葛藤
『性同一性障害』は生まれつきの『先天性』と、生まれた後に自覚する『後天性』に分かれています。
でも、どちらかが本物でどちらかが偽物という事は有りません。
どちらにしても『性同一性障害』です。
★性同一性障害を自覚するタイミングについては下記をご覧ください↓↓↓★
自分が性同一性障害と自覚した時から、本人はとても悩みます。
・なぜ異性を愛せないのか?
・自分はおかしい人間なんだ
・この先どうして生きて行けば分からない
・周りに変に思われるのがイヤだ
・誰にも相談できない
その他にも本当にいろいろ悩みます。
だって自分が普通じゃないと思ってしまうからです。
人間は答えを見つけようとする生き物です。
でも、人の生き方に正解は有りません。
だからもがき悩むのです。
この答えを見い出せず、苦しんでいる人は今も沢山います。
きっと当事者でしか分からない程、悩んでいる事だけは知っておいてください。
②覚悟
いろいろと悩んだ末に、自分が生きていく道に覚悟を決める時が来ます。
もちろん、男性のまま・女性のまま隠しながら生きる道を選ぶ人も多いです。
でも、逆の性・本当の自分の性別として生きる決断をする人もいるのです。
いっぱい悩んで、全てを受け止める覚悟が出来た時です。
・周りに何を言われてもいい
・誰かに反対されてもいい
・生まれた性別で生きる事の方が、死ぬほど嫌だ
・自分らしく生きていきたい
・本当の自分を取り戻したい
そんな覚悟です!
万人が理解して受け入れてくれるなんて事はあり得ませんから、そういった覚悟もしっかりとしています。
自分自身に嘘を付いてこの先生きていくのであれば、反対されても白い目で見られても、それでもいいと覚悟するんですね。
あなたはこれまでの人生で、そこまでの覚悟をした事が有りますか?
③カミングアウトする勇気
自分の決意が決まったら、後は周りに告白するのかも悩みます。
仲の良い友達には案外すんなり言えるのですが、どうしても両親・家族には言いづらいモノです。
だって、親に恋愛相談とかもあまりしませんよね?
今まで生まれ育ってきた中で一番自分の事を知っている家族だから、言いづらいのです。
そして、その事で悲しませてしまう、反対されるかもしれない、その想いでなかなかカミングアウト出来ずにいる人も多いです。
それでも、本当の自分の気持を知って欲しい、自分の覚悟を知って欲しいから、カミングアウトするのです。
その思いだけはしっかりと受け止めてあげてください!
④治療する覚悟
親からすると、一番イヤだと思うのが『性同一性障害』としての治療です。
男性として、女性として生きるのは認めても、治療に対して反対する親もいます。
健康な体にホルモン注射を打ったり、手術して異性の体になる。
それは耐え難いモノでしょう。
でも、自分の心の性別を自覚した時から、本当に自分の体がイヤになるのです。
女性なら丸みを帯びた体つき・膨らんだ胸・生理が来ること、男性なら筋肉質な体形・髭が生える事・勃起してしまう事など、それらは全て自分が女性・男性で有る事をイヤでも思い知らせられる事なんです。
もしあなたが、男装・女装してこの先生きていきなさいと言われたイヤではないですか?
寝ても起きても食事をしていても友達と遊んでいても、ずっとってなると耐えられませんよね?
環境や想いは違えども、そういう感じを想定してください。
自分の体が嫌で、自分の本来の性別に戻す為『性同一性障害としての治療』は必要不可欠なんです。
⑤自分らしく生きる事
自分の本当の性別で生きる覚悟、その為の治療、全ては自分で望んだことなので仕方ないですが、それでも苦難はつきまといます。
例えば就職もなかなか決まらなかったり、偏見の目を持つ人もいます。
特に恋人が出来ても結婚・出産の壁にぶち当たります。
でもね、生まれた性別で生きるよりとても幸せなんです。
俺が男として生きる決断をして20年程経ちますが、今は自分らしく生きている事に誇りを持っていますし、今は幸せです。
いつかきっとあなたの子供もそういう日が来ます。それを信じてあげてください。
理解よりも味方になる重要性!
先程、親へのカミングアウトの説明時に「親を悲しませてしまう事」と記載しましたが、これについては「育て方を間違った」と思う親がいるからです。
『性同一性障害』は育て方でなるものではありません。
だって心の問題なんですから。
だから「育て方を間違った」とは決して思わないでください。
また、「男の子(女の子)に産んであげられなくてごめん」と悲しむ親もいます。
確かに「なんで男(女)に産まれなかったのだろう」と思います。正直な気持ちです。
でも、俺は今この歳になって「この人生で良かった」と心底思っています。
きっと普通に女で生まれて女として育ち、結婚して出産してっていう人生なら、こんな経験はしなかったからです。
こんな経験が出来たから、男女の気持ちが分かったり、それでも友達でいてくれる人を大切に出来たり、こんな自分を愛してくれる人を大事に出来るのです。
だって、普通に生きていれば経験できなかった事でしょう?
俺は全然両親を恨んでませんし、むしろ産んでくれた事、育ててくれた事、俺の生き方を受け入れてくれた事を感謝しています。
だから、全然理解してくれなくてもいいのです、反対してくれてもいいです、それでもあなただけは子供の『味方』でいてあげてください!
その為にいっぱい話をして、いっぱいお互いの気持ちを知ってください。
子供から『性同一性障害』とカミングアウトされたら、理解するよりも『味方』になってあげる。
この世に生を受けた時、「何があってもこの子の味方でいる」遠い昔、そう思ったように。
本当にそれだけでいいんですよ。
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