どうも、RYORYOです!
前回「扁平上皮癌の給餌方法」について、手作りスープの作り方を含め紹介させていただきました。
今回は、扁平上皮癌で遂に食べる事を諦めてしまった我が家の愛猫に、どうにか生き延びて欲しいと思い、俺が下した決断「食道チューブ」について記載します。
食道チューブ:チューブの種類
猫が食べる事を諦めるという事は、イコール「死」を悟っている状況とも言えます。
何を与えても決して食べようとせずに、少しずつ痩せていくのが分かると、俺はどうしようもなくいたたまれない気持ちになりました。
動物病院の医師からは、「食べられなくなったら、チューブを入れる事も考えていきましょう」と言われていたので、今がまさにその選択の時。
チューブは主に3種類有りますので、それぞれの説明をします。
■経鼻チューブ(経鼻胃カテーテル)
鼻から細いチューブを通し、胃まで食べ物を送る事が出来る。
全身麻酔が出来ない猫でも、鎮静注射のみで簡単に処置出来る。
ただ、チューブが細い為、液体状の流動食にしないと詰まる事が有る。
鼻から出たチューブを顔の皮膚に数か所縫い止め、猫が引っ掻いて外れない様にエリザベスカラーを付ける必要が有る。
■食道チューブ(カテーテル)
首の横からチューブを通し、 胃まで食べ物を送る事が出来る。
麻酔の量も少なく短時間で手術できるので、老猫でも処置出来る。
経鼻チューブよりは太い為、ムース状の流動食も与えられる。
チューブの管理や清掃をしっかりすれば、長期間使用できる。
嘔吐すると、チューブも一緒に出てしまう場合が有る為、注意が必要。
■胃ろうチューブ
胃に近い脇腹などからチューブを通し、 胃まで食べ物を送る事が出来る。
全身麻酔による手術が必要。
食道チューブよりも更に太いチューブの為、ドロドロ状の流動食も与えられる。
食道チューブ:自然死か延命処置か、命の選択!
愛猫が食べなくなって6日目間、お腹が空いたら食べるかもと少しの希望を抱いておりましたが、猫は全く食べ物に手を付ける事は有りませんでした。
ネットでいろいろ検索していると、「胃ろうや食道チューブは猫に負担を掛けるだけ」「自然死させるのが自然界の掟」「延命処置は人間のエゴ」等々、批判の声も多く、確かにこのまま何もしなければ、愛猫はあと数日でこの世を去ってしまう、しかも最悪な「餓死」という形で…。
(この先、癌に侵されながらもっと苦しむなら、今このまま自然に逝かせてあげる方がいいのかも…。)
そんな思いに駆られました。
でも、ご飯は口にしなくても、俺の傍に来て甘えてくれる姿を見ると、それでも必死に生きようとする愛猫をこのまま死なせる訳にはいかないと思いました。
人間のエゴかもしれませんし、猫はそんな事望んでないのかもしれません。
でも、それでも、俺はこの猫ともっとずっと一緒にいたい、最期の時まで守ってあげたいと心に強く思ったのです。
だから決心しました、「食道チューブ」を付ける事を!
そう決断するとすぐに動物病院へ電話をし、状況を伝えた所、手術日の調整をしていただき、2日後に手術する事に決まりました!
食道チューブ :手術はこれが最後のチャンス!
手術日に病院へ行き、まず診察と手術の説明を受けました。
その時に医師から「舌の付け根の腫瘍が喉の方まで広がっていて、恐らくこの機会に手術しなければ、もうチューブを入れる事は出来なくなる」と言われ、これがあと数日遅ければ手術は出来なかったとの事でした。
更に「ただ、酸素チューブが入るかやってみないと分からないので、少しずつ麻酔をかけて様子を見ていきますが、もし、麻酔を掛けた後に酸素チューブが入らなければ、そのまま亡くなる事も有ります」と説明され、それでもいいか同意を求められます。
でも、もう迷いません。医師に「それでも構いません。お願いします」と頭を下げ、俺は病院に猫を預け、手術の終わりの連絡を待つ事にしました。
もし万が一、手術中に亡くなったとしても、麻酔で意識がなく苦しまずに逝ってくれるなら、それはそれでいいかも知れないと思いました。
それでも必ず手術が成功する事を願い、神社に参拝に行き連絡を待ちます。
手術から4時間後、病院から「手術は成功し意識も回復して問題ない為、迎えに来て下さい」と連絡が有りましたので、すぐに病院へ向かいました。
そこにはいつもと変わらない、愛くるしい我が家の猫がいました。
ただいつもと違うのは、首に包帯の様な物が巻かれていた事。
医師から手術の説明を受けた際、初めて食道チューブを見ましたが、右首の真ん中辺りからチューブが約20センチ程出ており、その先端には開閉できるキャップが有りました。
普段はその包帯の中にしまい込み、チューブが邪魔にならない様にします。
続いて給餌方法を教わり、先端のキャップを開け、シリンジと呼ばれる針のない注射器に流動食を入れ、ゆっくりと流し込んでいきます。
流動食を入れたら最後に水でチューブ内に残った流動食を流し込み、綺麗にします。
医師は手慣れた様にされてましたが、これが意外と難しく、俺と愛猫の奮闘の日々が始まりました。
そのお話は次回、食道チューブの給餌方法と共にお届けします。
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