どうも、RYORYOです!
俺は生まれた時に、女性らしい名前を両親に付けてもらいました。
生まれた時、両親だって将来異性として生きるとは思いもしませんから、いろいろと考え悩み、子供の幸せを願って命名してくれると思います。
でも、俺は男性として生きていく上で、この女性らしい名前が嫌で仕方なくなってしまったのです。
両親には本当に申し訳ないですが、病院や他でフルネームを呼ばれた時や、何かの申請の際「これは奥様ですか?」とイチイチ聞かれるのが嫌になりました。
それと、やはり男性として生きる為、男性らしい名前にしたいと思う様になりました。
漢字の名前の場合、読み方を変えるだけで男性っぽくなる場合も有りますが、俺の両親からもらった名前はカタカナだったので、読み方を変える事が出来ませんでした。
なので、10数年前に改名する決断をし、いろいろと手続きを行った上で改名が認められ、今では【涼】が本名となっております。
今回はそんな性同一性障害の憧れ、「改名」について手続き方法等を紹介します。
※中には中性的な名前の方や、女性の名前でも気にされず、改名を望まれない方もいますので、性同一性障害者の全ての人が改名する訳ではありません。
改名手続の流れ
いざ、改名しようと思っても、何をしていいのか分からないですよね。
そこで順を追って説明します。
まずは家庭裁判所で申立をする
■申立に必要な物
・申立書(裁判所でもらえます)
・申立人の戸籍謄本(全部の事項記載している物)
・収入印紙800円分
・郵送用切手1枚(家庭裁判所によって枚数が異なる場合有)
・通称名を使用していた証の資料等(これは後日、出頭命令の日に提出す場合有)
改名手続を行えるのは、現住所がある都道府県の「家庭裁判所」となります。
相談員から申立用紙をもらい記入していきます。
この時どういった裁判をするのか聞かれますので、性同一性障害で改名したいと伝えましょう。
【申立名】申立するにあたり、ちゃんとした「事件」として申立しなければいけないと言われた為、『名の変更申立事件』と記入する様に指示をいただきました。
なんかサスペンスみたいですね。
【申立理由 】 性同一性障害の事、治療の事、現在男性として暮らしていくうえで、女性名だと精神的苦痛がある事や、第三者にも誤解を招く事が有る事、女性名ではいけない理由や男性名になりたい理由等を書きましょう。
【変更後の名前】本名と変更後の氏名を記載。変更する名前は前もって決めておきましょう。
申立用紙を全て記入出来れば、相談員に提出し、この時一緒に800円分の収入印紙と、郵送用切手1枚、戸籍謄本1通を渡します。
これで受理してもらえますが、俺はこの時相談員から、
「もし却下された場合、同じ申立は出来ませんがよろしいですか」
と最終確認をされました。ちょっと怖くなりましたが、そのまま受理してもらいました。
ちなみに当時はまだ改名する人も少なく、特に地方になると事例が少ない為、却下される事もあり得る事だと教えてももらいましたが、あれから10数年、性同一性障害の知名度も上がり、恐らく改名もすんなりいくと思います。
裁判所からの出頭命令
■出頭日に必要な物
・通称名を使用していた証の書類等(次章で詳しく説明)
・医師の診断書 (次章で詳しく説明)
受理されてから2~3週間後に郵送で『裁判所への出頭命令』が送られてきます。
この出頭日に行かないと、申立が取り消されてしまいますので、必ず出頭してください。
なんか「出頭」って悪い事したイメージですが、俺はこの日をまだかまだかと待ちわびました。
そして出頭日、再度家庭裁判所へ出向きます。
調査室で調査員から事情聴取をされます。調査員から質問されるので、それに答えていく感じで、幼少期から現在までの生活や仕事、家族や友達との付き合い、交際歴や性行為までも、こと細かく質問されました。
通常なら30分程度らしいですが、恐らく大分県では事例がなかったのか、俺は2時間30分聴き取りされました。
調査員が聴き取りした事をまとめて裁判官へ提出し、裁判官が最終的な判決を下すとの事で、その判決は後日郵送で知らせていただけるとの事でした。
どうにか許可が下りる事を願うばかりです。
改名する為に、数年分の通称名使用の証を集めておこう!
出頭日に提出する物として「通称名の永年使用の証」が必要となります。
俺が用意した物は、7年分の年賀状と郵便物で、なるべく郵便物は通称名で送ってもらう様にしていました。
美容室やショップ等で、身分証の提示無しで作れる会員カードです。通称名で作っておきましょう。
取り敢えず、通称名で作れる物は通称名で作り、それを保管しておきましょう。
年数は長ければ長いほどいいようですが、2~3年くらいでも大丈夫だそうです。
後は現在男として働いている写真も添えました。
当時、性同一性障害の認知度が低かった為、性同一性障害の資料も添付しました。
もし許可が下りなかったらと心配し、「これでもか」と資料でアピールです。
とにかくいつかは改名したいと思った時から、コツコツ収集しておいてください。
診断書については、俺は性同一性障害のガイドラインに沿った治療を大阪に1年ほど受診していた事が有り、その時に医師2名から認められた「性同一性障害」の診断書を持っていました。
既に2年以上前の診断書だった為、その診断書が有効な物か不明だったので、いつもホルモン注射を打ってもらっている産婦人科の医師に相談し、診断書を書いてもらいました。
なので、診断書は2通出しましたが、ホルモン注射を受けている病院だけでもいいと思います。
改名手続、最終判決!
裁判所で事情聴取をされてから、3日後に裁判所から封書が届きました。
封を切る手が緊張したのを覚えています。
下記、裁判所から届いた審判書謄本です!
平成19年(家)第〇〇〇号
審 判
本籍 ・・・・・・・・・・
住所 ・・・・・・・・・・
申 立 人 ○○○○(本名)
上記申立人からの名の変更許可申立事件について、当裁判所はその申立てを相当と認め、次のとおり審判とする。
主 文
申立人の名を「○○(本名)」を「 涼 」に変更することを許可する。
平成19年4月〇日
大分家庭裁判所
家事審判官 ○○○○
やりました!遂に許可が下りました!
さぁ、改名の許可が下りれば、残す手続きはあと1つ。
その許可された審判書謄本を持って市役所の戸籍係へ行き、戸籍の氏名を変更してもらいます。
この時「審判書謄本」の原本を提出しないといけませんので、何か他に名前を変更する際など必要となる場合があるので、必ずコピーを取っておきましょう!
尚、戸籍の名前を変更する際は、現住所の市役所ではなく、本籍地の市役所での手続きとなりますんのでご注意ください!
俺も滋賀県の実家に帰省して手続しました!
改名の決断!
俺はその日の内に、親に変更許可が下りた旨の連絡をしました。
少し寂しそうにしていた母親ですが、それでも良かったねと言ってくれました。
本当に両親には申し訳ないと思っていますし、今考えると、何かもっと本名に関連のある名前にすれば良かったかなぁと反省しております。
ちなみに「涼」にした理由は、もし男として生まれていたらこの名前が良かったと思ったからです。単純ですが理由はそれだけです。
男として生きる決断をした時からずっと「涼」と名乗っていたので、今でも気に入ってます。
この先の未来を考え、本名で生きていくか、改名するかを決めるのはあなた自身です!
後悔のないように行きましょう!!
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